見習い大工の内田です。

練馬区石神井台の現場で今自分は和室の天井に使う杉の板材に浮造り(うづくり)仕上げの加工をしています。

浮造り仕上げとは綺麗な木目を引き立てるために木の表面をこすり木目の硬い部分だけが浮き彫り状に残す仕上げです。

やり方はワイヤー等で木の表面をこすって凹凸を作っていくだけなのですがどうして凹凸になるのかと言いますと木には年輪があり1年に1本円状に作られていく輪のことです。

年輪とは夏目と冬目が一セットになって構成されており冬目は冬に引き締められてできる目で円の黒っぽい線の所を指します、夏目は夏に出来る冬目と冬目の間の白っぽいところを指します。

夏場には温暖な気候と日射によりどんどん成長しますが冬場はあまり気温が上がらない為、木は夏場の様にあまり成長せず引き締まった黒い筋ができます。

その為木の夏目の部分は柔らかく冬目の部分は硬くなりますので夏目の部分は削り取られやすく冬目の部分は削り取られにくい事になります。

この木の柔らかさの違いにより木の表面に凹凸を作ることが出来ます。

先ほどワイヤー等でこすると言いましたがちゃんと浮造り用の道具があります。

上の写真の物は刈萱の根を水にさらした後干して麻紐で丸く束ねた物です。

ワイヤーでやるよりもこの道具の方が綺麗に仕上がるのですが金物屋さんにはもうなく前回買ったこれが最後の物でもう残りも少なくなってきてしまいましたので始めはワイヤーでこすって仕上げとして使っています。

上の写真がやる前の物で下の写真が浮造りの加工をしたものです。

浮造りの加工をすると鉋で仕上げただけよりも表面に凹凸ができますのでそれにより微妙な影ができ立体的に木目が浮き上がって見えます。

近づいてみると凹凸がわかりやすいと思いますが先ほど言った冬目は残り夏目は削れている状態になります。

この浮造りの加工一枚やるのに結構時間が掛かってしまいますが残りも頑張ってやっていきます。