見習い大工の眞利子です。
台東区鳥越の木造耐火3階建ての新築工事は、ゴールデンウィーク明けの建前に向けて刻み中です。
構造材はあと柱のホゾ加工と、束です。

奥に見える長い柱は通し柱です。
今回、八丁あります。

梁のせいによって柱の長さは変わります。
墨付けでは柱末に梁の下端、柱元に下階の梁上端を印してそこからホゾ分長くします。
ホゾの長さは二寸(60㎜)です。
梁の向きによってホゾも向きも変わるので、注意して墨付けしていきます。

通し柱と梁の仕口は「小胴付き」です。
手刻みだと、建前時苦労するのがこの小胴付きです。
人工乾燥材とはいえ、木材は空気中の水分を当然取り込みます。
そして加工後の仕口部分は、細くなった分乾燥し反りが出ます。
小胴付きは梁のせいいっぱいで仕口が加工されているので、若干の反りでも入らなくなってしまいます。
小胴付きは金物と併用しないと引っ張りに耐力はないので、お互い墨取りで加工します。

番付けは各階色分けしています。
一階柱二階胴差は黒、二階柱三階胴差は赤、三階柱と小屋組みは青です。
見た目で分かりやすい方が、建前時の混乱や間違いを防止できます。