見習い大工の眞利子です。
文京区本郷の木造耐火3階建ての現場は今日完了検査です。
養生も剥がし、今まで隠れていた化粧面があらわになります。
キッチンは、ステンレス天板の取り付けから、引き出しの面材まで全て大工の手作業です。
今回は組み立て作業に時間を掛け、最大限狂いや倒れを取り除いた分その後の作業がスムーズでした。

化粧面材の取り付けは、一発勝負なところがあります。
引き出しの箱にビス留めする際も、あまり取り外しを繰り返すとビス穴が緩くなってしまいます。
今回は面材の微調整も、比較的スムーズに処理出来ました。

あとは、無垢材なのでビスでは押さえきれない反りを鉋で均します。
引き出しの木口が揃うように調整するのが特に難しいです。
鉋で調整と言っても、削るわけですから最終手段です。
天板、床、周りの引き出しとのバランスを見ながら出来れば鋸目一発で決めたいところです。

大きい引き出しの場合、あまり深すぎると使いにくいので面材が多少せり出ます。
ここが厄介な部分で、ビスで締め付けることが出来ません。
面材の裏に反り止めを打つ等、対処法が今後の課題です。
写真では、木表側が内側を向かしているので面材は内側に反ります。
これが外側に反ってしまうと調整が難しいです。
箱自体や、金物の微妙な狂いがあからさまに表れてしまいます。

二階対面キッチンのコンロ側です。
二階はお施主様のご要望で、手掛け金物を使わないように製作しています。
材種もヒバなので、全体的に落ち着いたスッキリとして印象を受けます。

反対側がシンクです。
壁に埋め込まれたニッチは親方が製作しました。
始めは何もない壁でしたが、完成してみるとやはり収納が多くて良いですね。
完成が近づくと自分自身住んでみたいと毎回思います。
作り手としての課題はまだまだたくさんあります。
着実にその課題をクリアしていきたいです。