おはようございます。
見習い大工の眞利子です。
今回はカウンターの加工について紹介します。
材料はヒバです。
二階リビングに取り付く、テレビボードの天板です。
長さが約3、4m、幅50㎝の一枚板に接ぎ合わせます。

ヒバの原木です。
長手方向にうねったように狂いが生じでいます。
節や芯に近いものほど反りは出やすいです。
あまりに反りの酷いものは、削るうちに厚みが無くなってしまうので省きます。
林場(木材置き場)で半年以上乾燥させていたので、水分は抜けています。
これから手押し加工機に掛けて、この反りを真っすぐに削っていきます。

何度か削ると反りによって当たる部分と、当たらない部分がハッキリしてきます。
通常なら板の木表側に反ります。
木表側から削り、完全に反りを取りきってから材料の矩(直角)を出します。

手押し加工機は天板と側板があり、刃は上を向いて回転しています。
天板の上を何度も通し反りを落としてから、その面を側板に押しつけて矩(カネ)を出します。
天板と側板が直角になっているかは、スコヤで確認し自分で調整します。

直角が出た時点で、材料は二面が削られた状態です。
反対側の面を写真に写っている自動加工機で削り、三面をまっ平にします。
手押し加工機は材料の反りを取り、直角を出す機械。
自動加工機は直角が出た材料の分(厚み)を調整する機械です。
二台はコンビで使われます。
自動加工機で三面削ってから、いよいよ接ぎ合わせていきます。

カウンターの幅は50㎝ですが、自動加工機には43㎝までしか入りません。
なので、一度半分ずつ接ぎ合わせて、分を合わせてから最後に50の板にします。
こうすることで継ぎ目の段が一か所で済みます。
移動式の小さな加工機では、幅が狭く一枚一枚の継ぎ目もカンナで落としてました。
導力の大きな機械が入ったことで、時間も労力も半分以下で加工できるようになりました。

最後におまけです。
地鎮祭で使う鍬(クワ)を作りました。
材料はヒノキです。
実際に農家の方が使う鍬の柄は刃の方に向かってだんだん太くなっています。
挿げる時は、大工の玄翁とは逆で刃の頭の方から柄を指します。
柄自体がクサビの役割を持っているわけです。
今回は儀式用なので、柄は真っすぐです。
代わりに、小さなクサビを別に打ち抜けないようにしています。
今日は引き続きカウンターの加工です。
まだダイニングやキッチン、洗面のカウンターなど枚数もあります。
木とだけ向き合っていられる下小屋作業もたまには有意義な時間です。