先週に引き続き、窓枠の加工中です。
加工が終わったものから鉋で仕上げ、組み立て取り付けとなります。
今日はその、仕上げ組み立てに関して道具を交えて紹介したいと思います。

加工し終えた枠で鉋掛けを行うのは、三か所です。
枠が取り付いた際の内面、正面、それと壁からのチリ部分です。
板は木表側に向かって、長手と木口方向がそれぞれ反ります。
内面にあたる一番広い面を仕上げる時、その反りに苦戦します。

鉋の台も木材なので、枠材と同じく木表側に反りを起こします。
鉋台の下端(材に触れる面)が木表側に当たります。
すると、材と鉋台はお互い反対側に反り込むようになるわけです。
材と鉋台を密着させないと仕上げられないので、作業の前に鉋台を真っすぐに直す必要があります。

真っすぐ、平らかどうかをサシガネを当てて確認します。
そして台が高い部分を削り、平らにしていきます。
その時使うのが、ノミと解体用スクレッパーです。
ノミはガッツリ削りたい時や、ピンポイントで削りたい時に使います。
スクレッパーは広い面を一気に削れるので、便利です。
カッターの刃を差し込んで使う為、切れなくなったら刃を変えるだけで済みます。
カッターの刃自体が本当に真っすぐなことを前提に使います。
仮に若干の曲がりがあったとしても、最終的にはサシガネで確認するので大丈夫です。
通常は「立ち鉋」と言って、刃が垂直に挿げられた台を直す専用の鉋を使います。
ですが、削っている面が直接見えないのと立ち鉋自体も調整が必要なので最近は使っていません。
ほんの僅かな反りの違いですが、少し削り直すだけで驚くほど掛かりが良くなります。

さて、削りものが終わったら、組み立てです。
組み立ての際は、造作用の八寸鋸(のこぎり)を使います。
写真は見た目同じですが、右が替え刃鋸、中央と左が目立て鋸です。
ちなみに、一番左は自分で目立てしたものです。
建物自体には省エネ規制などが掛かり、世間的にエコを推奨する声が高い中。
現場の道具が使い捨てというのも、矛盾を感じます。
目立て鋸の場合、大切に使えば何度でも切れ味がよみがえります。
解体や、新建材などに使う鋸以外は出来れば全て目立て鋸に変えてしまうのが夢です。
そして、今回実際の仕事で使い比べた結果。
替え刃より目立て鋸の方が切れが良く刃持ちも上だと感じました!
当然しっかりと目立てされているからです。
自分が目立てしたものは、切れ味も今一つで外側に逃げてしまいました。
まだまだ、目立てを生業にしている職人さんには刃が立ちません。

鉋で削り、鋸で切った枠材を組み立て取り付けました。
バラバラの材が窓にしっかり収まるとホッとします。
若干、微調整が必要ですが。
窓枠が取り付けば、二重目のボードも張り込みに入れます。
今、現場では障子が入る二階リビングの枠を加工中です。
戸袋と建具の絡みを確認しながら、無垢材の反りとも格闘中です。
次回は戸袋付きの枠を紹介できればと思います。