見習い大工の眞利子です。
新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
さて、新年最初の作業は窓枠の木取り、加工です。
今回の耐火構造では、壁厚が通常の木造に比べてもかなり厚くなります。
その分、窓枠の幅も広くなります。
障子や戸袋の付かないノーマルのものでも幅211㎜あります。
その為、普段使う原木が150~180㎜幅のものを加工するのに対して。
今回は特別に幅240㎜の杉板を使用します。

写真では、少々分かりにくいですが、圧巻の眺めです。
3フロア分の杉板をまずは全て並べてみます。
加工前に、色や源平の具合でグループ別けするためです。
一階に和室がありますので、一番良い目のものを和室用に選定します。
無垢材ですから、アバタの入ったものや節などが稀に木表に出てしまっているものもあります。
酷いものは省き、目立たないものアングルピースなどに隠れるものは使用します。
これも木取りをする人の感覚、好みがありますので親方と自分でももちろん木取り方は違います。

大まかにグループ別けをしたら、マルノコでカットしながら木裏に使用箇所を書き込んでいきます。
その時、木目の向きを考慮して上と枠の内側を決めます。
ここで手抜きをすると取り付けてから、不自然な杢目になってしまいます。

ボードは二重張りですが、現時点では一重までしか張っていません。
枠には予めボードシャクリを掘り込んでおき、枠取付後二重目のボードでしっかり枠を固定します。
こうすることで、後々になって壁の仕上げにクラックが入るのを防ぎます。

木取りが終わったら加工に入ります。
この作業の主役は、溝切りです。
マルノコと似ていますが、幅のある刃をセットして鴨居溝などを掘り込む機械です。
つい先日紹介しました「機械作里鉋」は、電気が通うようになって溝切りに変化したわけです。
調整方法は機械作里と同じで、脇の定規を動かし溝を掘る位置を調整します。
作業はアングルピースを差し込む溝を加工しているところです。

アングルピースは木表側に加工します。
アングルピースを加工したらひっくり返して、次はボードシャクリです。
写真は木裏側が上になっています。
左側の溝がボードシャクリです。
溝切りでの加工が終わったら、鉋で仕上げます。
仕上げと面取りが終わり、組み立て、取り付けとなります。
明日は、一日加工になります。
仕上げ作業は徐々に弟弟子にバトンタッチしていくところです。
自分もまだ、十分な仕上げができるわけではないですが、、、
木造らしい仕事に楽しい気持ちと木取りの難しさにやきもきしています。