見習い大工の真利子です。
昨日、文京区の新築現場にて基礎打設前の配筋検査に立ち会いました。
配筋、打設等は基礎屋さん(建前時にお手伝いしていただく鳶の石塚さん)に担当していただきます。
今回の検査は、コンクリート打設前にしっかり配筋されているかの確認です。

今回、大工として行った作業は、図面に沿った配筋の確認とホールダウン金物の位置の確認です。
構造図面の記載と照らし合わせ、条件を満たしていることを写真に撮ります。
今回は耐火構造の三階建てなので建物の自重がかなり重いものになります。
配筋も自重に伴い、「ダブル配筋」になっています。
上の写真では、立ち上がりのⅮ16の配筋や床のⅮ13の配筋が二重になっているのが確認できます。

また、木工事にも関わることに、ホールダウン金物の位置があります。
上の写真に写っている、金色の金物がホールダウン金物です。
主要な柱と基礎を直接緊結する金物ですが、向きによっては筋かいと干渉してしまう恐れがあります。
筋かいの位置や方向は、構造計算時に正確に定められているので勝手に動かせません。
筋かいと干渉する部分は、ホールダウン金物を立ち上がりの内側に移動させたりして対処できます。
これを行っておかないと、筋かいの取り付け時に大変な思いをします。
無理なく作業を進めることが、結果として良い建物を造ることにもなります。

配筋検査は無事に終了しました。
安心して建前を迎えることが出来ます。
さて、石神井台の新築での手直しにも行ってきました。
主に建具、引き出しの微調整です。
写真は作り付け家具に吊り込んだ、四枚引き違い戸です。
不具合が出たのは、建具の競り込みと閉めた時の付き付け具合です。
どちらも建具が反ることによっておきます。
組み立て精度の不十分さと塗装による伸縮がその原因です。
無垢の木なので、組み立て当初にはなかった反り込みが後から出てしまうことはどうしても起きます。
ですが、木を専門に扱っているからにはそれらを考慮した施工をしなければなりません。

シナランバー合板による建具と違い、框ドアは木のクセが出やすいです。
また、上の写真のように建具ではなく枠の方に反りが出てしまう場合もあります。
対処方は鉋で削りつけてしまうことが出来ます。
良くない意味で「無垢の木だから」という言葉はあまり使いたくありません。
ですが、やはり無垢の木を使うことは難しいです。
四季の湿度や気温の変化も受けますし、定期的なメンテナンスが必要な材料と言えます。
そういった後々のメンテナンスにも関わっていくことで、大工としても得るものは多いです。
気持ちよく使っていただく為にも、もっといいモノを作る工夫をしていきたいと痛感しました。