見習い大工の真利子です。
日曜日からお盆休みを頂いていました。
夏バテ気味だったのと、あいにくの雨降り続きで残念ながらどこも行けませんでした。
その代わり、道具の調整や部屋の掃除など日ごろ後回しになりがちな作業をすることができました!
内装工事に入り、純粋に刃物が切れないといけない作業が続いています。
色々な意味でリセット出来た連休でした。
さて、今日は連休前に作りました、和室の「竿縁天井」について紹介します。

和室の天井には、さまざまな種類がありますが、今回は竿縁天井(さおぶち)と言われる形です。
簡単に言えば、天井板を「廻り縁」と「竿」で支えている天井です。
和室の天井ではスタンダードな形ではないでしょうか。
一般住宅では、この竿縁と竿のない「目透かし」と言われる天井がほとんどだと思います。
天井板と交差している細い部材が竿(さお)と言われる部材です。

今回は、廻り縁と竿の木取りから現場で行いました。
秋田杉の官木を使っています。
大工の場合、正面が板目、側面に柾目が出るように部材を使います。
理由は、部材の反り方に由来すると思います。
木のクセとは別に起きる、伸縮は板目方向に強く出るためだと思います。
理由はさておき、「大工仕事は正面を板目にする」と様式として教えられますが。
原木一丁から四方廻り縁、計4丁木取ったのですが、どうしたら取れるか悩みました。
木取りも本当に技術だなと感じました。
見えない節や白太などを避けながら必要な部材を木取っていくのは緊張する作業です。

木取ったものは、プレーナーで分(厚み)を合わせてから加工、組み立てに入ります。
まず、廻り縁に目地を切って取り付けます。
訓練校で習った加工方法をそのまま実践しましたが、実際の現場ではそれに応用が必要だと痛感しました。
真壁の場合とも違うので、習ったままというのも押っ付け仕事になってしまうなと反省です。
廻り縁が取り付いたら、竿縁の割を出して掘り込みます。
竿が細いので、ある程度きつめに取り付けます。
竿は今回5本、大きめな丸面を取ってあります。

竿の間に体を潜り込ませて、板の上から竿にビス留めしていきます。
この天井板は、通常の倍の厚みがあります。
取り付けの時は、普通だと思って施工していましたがかなり厚めのようです。
お盆に行ったお寺の竿縁天井は、厚さ5ミリ弱の天井板でした。
鉋で鏡仕上げにされた天井板だったので、特に薄く感じました。
休み明け、親方に話すとやはり今回の天井板は厚いそうです。

張り終わりました。
天井板張りでほぼ一日の作業です。
もうお気づきだと思いますが、弟弟子作の浮作りの天井板です。
化粧柱の所は押し入れになります。
あと和室は、入り口枠の取り付け、板畳、畳寄せ、網代天井、押し入れの造作です。
左官屋さんの日程もあるので、自分は休み明けからキッチン廻りに入っています。
建具、引き出し等を除き造作工事を終わらせてから一旦、下小屋に戻ります。

木取り、製材から組み立てまで全て自分でやらせていただけるのはとても経験になります。
今回、少しですが和室にも触れさせてもらいもっと緊張感を持たなければと感じました。
同じ部屋でも、和室の考え方は本当に学ぶ所が多かったです。
それと、やっぱり無垢の木の風合いは落ち着きます。
水回りは別にして、無塗装の木の肌触りはやはり良いものです。
それには、もっと鉋などの道具の調整精度も上げなければ!
またそれらに時間を使えるように機械の扱いももっと向上させたいです。
覚えることにプラスして、身に着ける技術もまだまだたくさんあります。