見習い大工の真利子です。
今週は、作り付け家具に使う天板などの加工を進めています。
ヒノキの板から木取りし、製材からすべて現場で行います。
その他同時進行で、フローリングも張り込み中です。
自分の担当である、加工について紹介します。

写真は、キッチンと対面するカウンター材を製材しているところです。
長さ3500㎜、奥行450㎜のカウンターを剥ぎ合わせて作ります。
材木は製材屋さんから挽き割った状態で届きます。
それをマルノコで製材していくのですが、板巾が150㎜なのでマルノコの刃が届きません。
なので、両側からマルノコを入れたあとにクサビを作って割きました。
せっかく150㎜巾が木取れる板なのでなるべく大きいままで使いたいからです。
ですが、一枚の板が大きければ、その分反り込みや捻じれも出やすいです。
無垢材は角材にしても板に引き割って、プレーナーで一時的に平面を出しても本来のクセは消せません。
そのクセを嫌って、小さなチップを固めて作るのが集成材です。
木のクセには二種類あります。
一つは立木だった時の曲がり。
もう一つは含水率からくる反りです。
材料を小さく、短くすれば一つ目の曲がりはある程度消せます。
ですが、木材中の水分の移動からくる反りはかえって材同士の剥ぎ目が多い方が出やすいように感じます。

マルノコで製材をした後、手押し加工機で平面と直角を出します。
直角を出したら、自動加工機で厚みを合わせます。
写真は厚みを合わせた後に、ハタ金を使って剥ぎ合わせているところです。
写真では裏側を撮っているので、上小節がチラホラ見えますが化粧面は無地に仕上げています。
クセの話に戻りますが、木取りの段階で曲がりの強いものははじきます。
比較的原木のままでも曲がりの少ないものを組み合わせてカウンター材は作っています。
曲がりの強いものは、長さが短い所に使います。

個人的には、赤い生き節であれば化粧面に出てきても良いと思います。
木材の価値としては、無地の方がやっぱり上です。
使う場所や、工務店の目指すグレードにもよるのかもしれません。
もし自分の家を建てる時は、節だらけの化粧柱とかも使ってみたいです!
写真は廻り階段の段板です。
目合わせ、色合わせは気になりだすと無限にパターンがあるのである意味一番難しいです。
かえって、深く考えない方が自然な感じで良いのかなとも思います。

直階段の段板も剥ぎ合わせています。
巾広の一枚板より分散するかと思いきや、反りが出てしまって鉋掛けの時に苦戦しました。
ボンドの水分なんかも影響しているのだと思います。
大きな一枚板というのは、それだけ径も大きな原木から木取っているはずです。
つまり年輪のアールも緩やかになり、曲がりも少ないんだと思いました。
製材、加工をやらせてもらうと木のクセや性質が一本一本違うことに気づかされます。
節の隠れていそうなところ、曲がりの出そうなものなどだんだんわかるようになってきました。
知らない人から見れば、木は木でしかないのでしょう。
板は真っすぐが当たり前、直角なのが当然です。
ですが、自分で一から加工してみると当たり前だという思い込みに苦しめられます。
木は真っすぐじゃない、今大丈夫だから明日も大丈夫とは限りません。
木は生ものなんだと感じる毎日です。