見習い大工の眞利子です。
今週、外部廻りの耐力壁が張り終わりました。
火山灰などで出来ている「ダイライト」という耐震ボードを外壁に釘打ちで施工していきます。
耐震ボードを張ると、内部の仮筋違いも外れてスッキリします。

今回自分は、耐震ボードにほとんど触っていません。
同時進行でベランダや、玄関廻りの下地組みなどを進めていました。
写真はベランダです。
中心にアルミパネルが入るので、凹型に作りました。
柱と間柱を立てて、倒れを調整してから墨を出します。
一本一本長さに切ってから立てると、微妙なガタツキが出るので後切りします。

下地組みが終わったら、耐震ボードを張ります。
ベランダは耐力壁にはならないので、厚み合わせの意味のみです。
大工はその後、床と袖壁に「ケイカルボード」を張って終了です。
下地の上から防水屋さんに「FRP防水」を施工してもらいます。
施工中は、もの凄い薬品の臭いがします。

ベランダが終わったので、次は玄関です。
玄関扉だけは他の窓下地と違い、現物を確認してから下地組みします。
玄関框(カマチ)の蹴上げ高さを確認して、玄関扉の高さを決定します。
化粧の庇は、柱芯から三尺出てくるので扉を開けた時に干渉しないよう高さや勾配を決めました。
垂木のけつは、三尺下がった梁に五分刺しています。
テコの原理で、扉の上の「垂木受け」が支点になって、軒が垂れるのを防ぐ意味があります。

外壁側から見た躯体面の収まりです。
今回垂木が五本。
割り付けが難しかったです。
垂木材は、杉です。
浦安の木材市場まで、弟弟子と取りにいきました。
綺麗な杢目で、カンナも掛けやすかったです。
垂木の勾配や長さの出し方は、訓練校で学んだ差し金使いを生かして出しました。
垂木間には面胴板(メンドウイタ)を差し込んで、火災時に垂木間から侵入する火を防いでいます。
垂木の上に野地板を敷いて、板金屋さんに板金を葺いてもらう予定です。

垂木材と桧の化粧材を取りに行った、木材市場です。
前日に欅(ケヤキ)の即売会を開催していたそうで、懐かしい欅の匂いが立ち込めていました。
あまり清々しい匂いではないですが、欅の臭いです(笑)

珍しいものも見せていただきました。
黒柿の「孔雀杢」という杢目だそうです。
黒柿は床柱などに使われる、かなり高価な木材です。
その黒柿の中でも、孔雀杢は貴重だそうです。
杢目が自然に緑色になって、孔雀の羽のように見えるからだそうで、市場の方も初めて見たそうです!

全て買い手の付いた欅材だそうです。
銘木から、胴差や曲がり材までもの凄い量です。
大きさが住宅とは全然違うので、きっと寺社に使われるのだと思います。
見るのは良いですが、重いので欅はあまり扱いたくありませんね。