昔から住宅の外壁材として使われてきたモルタル壁。
最近では、サイディングが新築住宅で使用される外壁材の主流になっていて、モルタル壁を使用する所が減ってきていますが、自由度の高いデザイン性で味わいもあるので、今でもモルタル壁を選ぶ方もいます。
モルタル壁の仕上げ方法にはいくつかの種類があります。
そこで今回は、住宅の外壁材で用いられているモルタル壁の仕上げの種類や特徴をご紹介します。
モルタル壁とは?
モルタル壁とは、砂、水、セメントを混ぜ合わせて練り上げたモルタルを「ラス」と呼ばれる網状の針金の上から、左官コテで塗りつけた外壁材です。
メリットとしては、サイディングのようにつなぎ目のある壁にならず、味わいのある質感の良い外観にできることです。
デメリットとしては、経年劣化でひび割れが発生しやすいため、定期的なメンテナンスが必要になります。
モルタル壁の仕上がり方法の種類としては、主にリシン・スタッコ・吹き付けタイル・ジョリパットの4種類があります。
1 リシン
リシンとは、昔からある仕上げ方法で、細かい砂粒があり、表面がザラザラしているのが特徴です。
これは、塗料を吹き付ける時に一緒に砂粒を混ぜ合わせているため、このような模様になっています。
リシンは、仕上げ方法の中でも価格が一番安くて、施工もしやすいです。
ただ、ひび割れや汚れが付きやすいことから、最近の新築住宅では使用している所は少なくなってきています。
2 スタッコ
スタッコとは、先程ご紹介したリシンを厚くしたような仕上げ方法で、表面がザラザラで凸凹が激しいのが特徴です。
吹き付け時の厚さが5~10ミリほどあるため、立体的で重厚感のある、高級感あふれる外壁にすることができます。
塗り替える時には、リシンなどに比べると多くの塗料を使用するので価格も高く、施工にも手間と時間がかかります。
3 吹き付けタイル
吹き付けタイルとは、異なるタイル材を1~5ミリ程度の厚さで複層に吹き付けたものです。
これにより、表面が凸凹になって陶磁器のような仕上がりになるのが特徴です。
この吹き付けタイルの仕上げには、吹き付けただけの「中粒仕上げ」と上から押さえて表面を潰す「押さえ仕上げ」があり、それぞれ模様が違ってきます。
表面の質感はツルツルしていて艶があります。
そのため、塗り替え時にはリシンやスタッコに比べて使う塗料の量が少なくて済みます。
4 ジョリパット
ジョリパットとは、砂と塗料を混ぜ合わせて作られたアイカ工業の塗壁材です。
表面がザラザラとした質感が特徴で、対候性や防汚性に優れていて、価格も比較的安価です。
また、左官や吹き付けなどで仕上げるためデザインに自由度があり、カラーバリエーションも豊富です。
色あせしにくく、ひび割れの発生も少ないですが、メンテナンスに関しては10年に一回は塗装が必要です。
最後に
今回は、住宅の外壁材で用いられているモルタル壁の仕上げの種類や特徴をご紹介しました。
モルタル壁は自由度の高い外壁にすることができますが、メンテナンスの頻度が多いので、それらをよく考慮して選ぶようにしましょう。