見習い大工の眞利子です。
今週、初めて包丁を研ぎました!
角度に気を付ければ、ノミなどと同様、簡単に研げることに気づきました。
今日は、その研ぎについて紹介します。

片刃包丁です。
たぶん魚などを切るのに使っているのだと思います。
細かな欠けが刃全体に入っていました。
刃先も欠けていましたが、全体の形を壊してしまいそうだったのでそのままです。
まず、金版で裏押しします。
片刃の刃物には裏と表があり、裏を磨き出す作業を「裏押し」といいます。
平らな面「裏」に微細でもキズなどがあると、表を綺麗に研いでもすぐ欠けてしまいます。
ノミの場合、裏の平面が定規となって真っ直ぐな穴が掘れるので特にシビアです。

裏押しすると、鏡のようになります。
刃先に向かって少し反っているように感じたのですが、包丁はそういう仕様なのでしょうか?
大工道具に比べて、随分柔らかく感じました。
包丁は叩いたり、激しい使い方をしないので鋼が柔らかいです。

もう一本の包丁と金版です。
こちらは刃先も綺麗に修正しました。
柔らかい刃物は、刃の欠けがなかなか取れません。
刃自体は減っていっても、ポロポロと欠けが欠けを呼んでしまうようです。
包丁研ぎ楽しいです。
紙で試し切りしてみましたが、まあまあです。

カンナと京都産の天然砥石です。
このカンナ、ただいま砥石にくっついています!
長く砥石にあてていると、砥石の面と刃先の形がピッタリ合ってきます。
要するに、刃全体が研げているということです。
くっついたから切れる刃が付くかというと、そうでもないのですが一つの基準になります。
くっついたら、あとは刃先の傷が無くなるように研いで(磨いて)いきます。
仕上げ砥石は研ぐというより磨くに近い気がします。
正解か分りませんが、刃先の摩擦抵抗が少ないほど軽く、そして良く仕上がるのだと思います。

研いだカンナで窓枠の仕上げです。
杉の源平。
今回の杉は仕上げやすいです。
親方曰く、水分量が多くても、乾燥しすぎでも仕上げにくいそうです。

枠材の加工も勉強中です。
現在の現場には、戸袋付きの障子戸が六ヶ所あります。
写真は、二本引き障子の鴨居です。
幅広なので二枚の杉板を矧ぎ合わせて作ります。
幅広や長尺は反りも出やすいので、カンナが乗りづらく大変です。

ようやく研ぎ方がわかってきましたが、次は加工組立を覚えなければなりません。
削り物は、弟弟子にバトンパスです。
休み時間、カンナを研いでいると親方に「研ぎも良いけど、他の職人さんの仕事も見ろ」と言われました。
結果が出始めるとどうしてもそればかりやりたくなります。
ですが、次のステップに進む時期のようです。
研ぎものは一応の合格と考えて、収まりなど今まで親方のやっていたことをこれから覚えていきます。
責任のある作業に緊張もしますが、先に進みたいと思います。