見習い大工の眞利子です。
今回は、先週学校の実技で作った「四方転びの脚立」について書きたいと思います。
前回の実技では正面の脚二本のみが四方転びになっている椅子を作りました。
今回は脚立なので、四本の脚すべてが外側(四方)へ転んでいます。
前回の応用も効くので、全体的にはあまり難しくはありません。
表と裏で一本ずつ墨付けができれば、そのまま隣の脚にも墨を写し取れます。
なので、ホゾ穴の精度と材料同士の胴付き面に気を使ったつもりです。

完成した作品はこんな感じです。
材料はピーラーと呼ばれる、アメリカ産の松です。
節が少ないのでノミの刃が欠けたりはしないのですが、幅の狭い材料にも逆目が混在しているのでカンナを
かけるのに苦労しました。
けっこう堅い木なので加工はそれなりに大変です。

脚立なので金物を使って、折り畳みできるようになっています。
実技課題なのでホゾは挿しっぱなしです。
加工の精度ももちろん点数に反映されるため、チョウ盤を除いてクサビやビスは使えません。
ですが、時間が経つと木も縮んだりするので実際に脚立として使おうとしたらクサビなどで固定しないとい
けないと思います。

正面の貫は足掛けになるので、天端が広く取れるよう「挟みホゾ」になっています。
加工最中、ホゾは伸ばしっぱなしにしておきます。
加工の誤差に合せてあと切りします。
写真だとホゾの精度は前回より良くなったのですが、ホゾを詰めた時のノコ痕が白く残ってしまってます。
こういう雑なところも自分の改善点です。
貫の木口を見ると木裏が正面にきてしまっているのがわかります。
通常は、正面側に木表をもってくるよう加工しなければならないのですが、今回この貫には木表にヤニ溜ま
りがあって汚なかったのでひっくり返しに使いました。
他にも講師の大工さんにいろいろな指摘を受けました。
表裏に入っている貫の天端は二つとも水平になっていなければならないのですが少し内側にこけています。
四本の脚のガタつきはなかったのですが、定規にあてた時外へ開き過ぎていました。
一見よくできたように見えるのですが、図面どおり寸分違わず作る難しさを改めて痛感した課題でした。
来月の課題は「三段廻り階段」です。
直接仕事にも利用できる課題なので少しでも多くのことを学びとれるよう頑張りたいと思います。