無垢の木の視察で紀伊半島の和歌山県を訪れてきました。
東京から飛行機で約一時間で南紀白浜空港に到着できるので、
遠いようで近い場所でもあります。
和歌山県は県の面積の80%を森林が占めるその名の通り山の県であり、
また太平洋の大海原に面している山あり海ありの温暖な所です。
さっそく生産者と共に山に出かけてきました。


山では樹齢100年の杉や桧の無垢の木が沢山育っていました。
山深く歩くと不思議と自然からの力をもらっているかのような気がします。
東京で無垢の木の家づくりをしてる者にとっては、
山が現状を知ることは非常に大切です。
山の視察を終えて伐採された無垢材が運ばれてくる製材工場の視察です。


山から運ばれてきてここである一定期間無垢材を丸太の状態で乾燥させます。
無垢の木はこの乾燥させることが非常に重要です。
構造材の柱や梁なども乾燥させることで強度が上がるので、
この乾燥作業は重要な工程になります。
それにしても大量の無垢材ですね。


丸太の状態で乾燥期間を終えると建築材として製材の工程に入ります。
丸太の太さや年輪の詰まり具合などから柱や梁に製材されていきます。
機械で大きな丸太を次々に製材しています。
いやー早いです。
あっというまですね。


丸太の状態で芯部分は柱や梁に仕分けされ、
丸太の側(ガワ)と呼ばれる外の部分は造作材の鴨居材や長押などに使われます。
画像の丸太でほぼ全ての家づくりに必要な部材が揃うのは驚きかもしれませんね。
でもこのように一本の原木から適材適所に全てそろうんです。
柱や梁はここで自然乾燥期間を終えると、
より正確な数値まで内部に含まれる水分を抜くために機械で乾燥されます。
近年この乾燥技術が向上したので無垢材の狂いや反りが極端に無くなったんです。
また技術向上によって機械乾燥による無垢材の木肌の色の変化も格段に良くなっています。
紀州若山の木はねじれの無い素直な木質が特徴で、
年輪が詰まっているので強度特性にも大変優れています。


一本一本用途ごとに製材が進められています。
工場内は杉や桧の香りで包まれています。
視察を終えて改めて山に感謝をしつつ無垢の木の家づくりに励もうと強く感じました。