木造の家を終の住処に 池袋本町の家

■データ
東京都 豊島区 池袋本町
防火地域 木造2階建て 準耐火構造
敷地面積:124.47㎡(37.65坪)
1階床面積:55.89㎡(16.91坪)
2階床面積:28.98㎡(8.77坪)
延べ床面積:84.87㎡(25.67坪)
構造:木造軸組工法
外壁:そとん壁
屋根:ガルバリウム鋼板
断熱データ
壁:高性能グラスウール 16K 105㎜
1階床:ネオマフォーム 45㎜
天井(屋根断熱):高性能グラスウール 16K 210㎜
■概要
古い木造2階建てに元々住んでいたのですが、東京都の道路拡幅により、建て替えをすることになりました。
最初は平屋がご希望だったのですが池袋本町の地区計画があり、建物の高さを高くしなければいけなかったため、2階建てにしました。
1階に生活空間を集約させ、木をふんだんに使用した快適な住まいになりました。
●池袋本町 地区計画
老朽化した木造住宅などが密集し、狭い道路や行き止まり道路が多いため、市街地の防災性や利便性の向上等を目的として、東京都によって道路の拡幅が事業化され、道路拡幅の進展に併せて、沿道を中心に建物更新の活発化が予想されることから、平成28年3月「池袋本町地区」で地区計画を決定し、併せて用途地域等を変更しました。
これにより、地区内の建築物の不燃化の促進や狭あい道路等の解消をして安全・安心で快適に住み続けられる良好な市街地を目指すというものです。
■地域情報「豊島区 池袋本町」
豊島区の北側に位置する池袋本町には、東武東上線 北池袋駅・下板橋駅があり、池袋駅に近いので都心へのアクセスが良いです。
公園の少ない豊島区において、「池袋本町電車の見える公園」や「豊島区立池袋本町公園」など、緑が多い公園が充実しています。
エリアの多くが住宅街で、大通り沿いには高層マンションが多く、一本入ると一戸建てやアパートが並んでいます。
■お施主様のご要望
お施主様からご相談を受け、お話していくうちに以下のようなご要望がありました。
●1階に生活空間を集約したい
ご高齢のお施主様は階段の昇り降りをなるべく減らして2階への行き来を少なくするために1階の部分だけで日常生活のすべてを完結させたいとのご要望でした。
●木の家に住みたい
周辺にはハウスメーカーの鉄骨の建物が多かったのですが、お施主様は木造の家をご希望されました。
■ご提案プラン


●水周りや寝室などを1階に配置
1階部分だけで、生活のすべてを完結したいということから、1階にはキッチンやお風呂、トイレなどの水周りと寝室を配置しました。
寝室の奥の外構にはデッキを引き、そこで洗濯物も干すことができます。
●床や造作家具に無垢材を使用
床は無垢フローリングにして、キッチンを含めた家具は無垢材を使用し、造作で製作して随所に木を使いました。
●吹き抜けで開放的な空間に
LDKの一部を吹き抜けにして、天井を高くすることで開放感のある空間にしました。
●天窓で採光と通風を確保

南側の日当たりはいいのですが、将来、南側に高い建物が建った場合を考慮してリビングの天井には天窓を配置してそこから自然光が入るプランにしました。
また、天窓は採光だけでなく、真夏の通風を確保する役割もあります。
■こだわり素材と新築工事の様子
別ページにて、池袋本町の家に使用されたこだわり素材と新築工事の様子をご紹介しています。
こちらもチェックしてみてください。
■完成写真
1階に生活空間を集約したいというご要望から、1階に水周りと寝室を配置して日常生活のすべてを完結させました。
また、フローリングや造作家具には無垢材を使用して木をふんだんに取り入れた快適な住まいになっています。
池袋本町の家の完成写真をご覧ください。
●LDK

吹抜けが開放的な空間を演出してくれるLDK。
リビングの一部には畳スペースと掘りこたつを配置してゆったりとくつろげる空間に。
壁の内装には調湿機能や消臭機能に優れた自然素材の中霧島壁を使用しました。

吹抜け以外の天井は低めにして空間にメリハリをつけるようにしています。
こうすることで、低い場所から高い場所へ足を踏み入れた時に、より空間の広がりを感じることができます。


リビングの横には寝室を配置。
3枚開き戸でリビングと仕切れるようになっています。
寝室の天井は吉野杉 赤の羽目板を使用しました。
●造作キッチン

キッチンは造作で製作しました。
造作キッチンの魅力はサイズや仕様を細かく決めることができ、自分だけのオリジナルキッチンにすることができます。

キッチンの面材には無垢材のレッドオークを使用しました。
木目が美しく、耐久性に優れています。

キッチン背面の造作家具の建具には吉野杉をカウンターにはホワイトオークを使用。

キッチン造作家具の反対側にも収納ができるスペースがあり、たっぷり収納できます。
●スケルトン階段

階段はスケルトン階段で明るく開放的な空間を作り上げています。
杉の磨き丸太がアクセントになっています。

階段下には、ブラックウォールナット製の造作のワークスペースを配置してデッドスペースを有効活用しました。
●吹抜けと天窓

吹抜けは勾配天井にして天窓を設置しました。
天窓から自然光を取り込み、通風も確保できます。
天井の羽目板は桧を使用しました。
●洗面脱衣室

洗面脱衣室の天井と壁には桧の羽目板を張って、高級旅館のような上質な空間に。

洗面台も造作で桧を使用しました。
洗面器は深めのものをチョイスして、鏡もオーダーメイドで使いやすい洗面台になっています。
●玄関

玄関土間はモルタルの洗い出しにして、天井は網代天井、玄関ホールの床は桧を使用して洗練された空間になっています。
●外観


外壁には見た目も美しく、機能性に優れたそとん壁を使用しました。
そとん壁に緑の植栽が映えて上品な雰囲気になっています。